スタンフォード大学 強姦事件加害者ブロック・ターナーの声明文(全訳) | 葉的MANHATTAN☆HOUR
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スタンフォード大学 強姦事件加害者ブロック・ターナーの声明文(全訳)

【2016.06.19 Sunday 14:38

前回は、スタンフォード大学強姦事件被害者の声明文全訳をお届けしました。今回は、加害者であり有罪判決を受けたブロック・ターナーの声明文の全訳をお届けします。ブロックの声明の下に、目撃者の証言やスタンフォード大学水泳チーム女子学生たちから寄せられた情報も付記しますので、これらも含めて読んでいただければ幸いです。

わたしは、ブロックが「怪物」とは思いません。連続殺人鬼などと比べれば、「単なるアホな若者」かもしれません。ただ、彼の行為が被害者の人生を醜く変えてしまったことは事実。事件前後、特に事件前の様子については記事末の1〜6の点をお読みください。この後、ブロックの父の声明なども掲載しますが、これら一連のそれぞれの言葉を通して考えたいのは、社会の構図として何が起こってきたのか、それがなぜおかしいのか、どうしたら変えていけるのか、ということです。

(注:下記、ブロックの文章は、稚拙なだけでなく、段落分けもきちんとされておらず、読みづらいです。ただ、そこを翻訳過程で読みやすく「良い」文章にするよりも、彼が書いた英語の文章をなるべくそのままお伝えしようと思いました。その方が、関係者全員にとって「フェア」であるという判断です)

*******************

[スタンフォード大学強姦事件加害者ブロック・ターナーによる、サンタ・クララ郡刑事法廷のアーロン・ペスキー判事に宛てた声明文]

  2015年1月17日は、朝起きて、水泳の練習に行って…と、学校でのいつもの日と変わりなく始まりました。過去4ヶ月、水泳チームの仲間とキャンパスで暮らしてきて、その日も仲間たちと過ごすつもりでした。オハイオ州の小さな町で育った僕は、飲酒が伴うお祝いやパーティーは実のところ未経験でした。でもカリフォルニアの大学に入って、土曜日に友だちと過ごすのはそういうものなんだと思うようになりました。学校や水泳でのストレスを発散するには、いろんな人と酒を飲むものなんだと思うようになったのです。たとえばある土曜日には、水泳チームで最近親しくなった友だちと地元のフットボールの試合を観に出かけました。自分の人生の最高の時期を、歩きながらビールを飲んで友だちと試合を観に行くなんて、最高だと思いました。友だちと歩きながらビールを飲むなんてかっこいいと思ったんです。でもその日は、飲料アルコール所持で軽犯罪の切符を切られました。残念ながらその時のことはただの間違いだと思って気にしませんでした。飲酒と、それを可能にする環境にいることについて、自分の振る舞いを変えることとはとらえませんでした。毎日お酒を飲む習慣のある人たちと過ごしてきて、それは大学に通うこと、大学生であることに不可欠な要素だと思ったのです。犯罪に問われたものの、それは僕が飲酒を続ける妨げとはなりませんでした。なぜなら、僕は不注意にも飲酒は大学生であることの必須条件だと思ってしまい、たかが一回の事件によって自分が大学にいることの意味を変えるべきじゃない、と考えたのです。そうやって大学のライフスタイルについて発見しているあいだも、何度も、酒の絡んだパーティーで人々が親密になっている様子を目撃する機会がありました。水泳チームの社交パーティーで、こういうことが受け入れられているだけでなく、新入生にはむしろ勧められている様子を目にしました。学校に通う2か月ほどの間に、こういうことを受け入れ始め、飲酒を伴うパーティーで異性と出会うのは普通のことだと思うようになりました。水泳チームではパーティーや飲酒に制限を設けていませんでしたし、その状況を最大限に楽しむ男たちを見ていましたし、同じように振る舞うよう見せつけられました。尊敬している先輩たちがパーティーに行って、女の子と会って、会ったばかりの女の子を連れ帰るのを見ていました。自分が敬意を抱いている先輩たちが酔っ払って女の子と踊るのを見ましたし、そういうパーティーに参加しろと誘われました。飲酒とかパーティーとかには初心者でしたから、それが普通なんだと言われたのでそう受け止めていました。家から二千マイルも離れて暮らしていたので、水泳チームの先輩たちを家族のように見ていましたし、彼らの大学生活や価値観を真似しようとしていました。

そんなわけで1月17日、当時水泳チームの一年生だった友だちがそいつの寮の部屋でパーティーをするのを楽しみにしていたのです。もし時間を遡ることができてあの1月17日の夜に起こったことを変えられるのならすぐにでもそうしたいです。誰も傷つけるつもりはなかったんです。あのパーティーには同じ水泳選手の友だちふたりと行きました。着いてからはビールの形で[訳注:原文通りに訳しました]飲酒をし始め、パーティーに来ていた人たちと社交しました。彼の部屋でビールを5本飲んだと思います。それから、すでに飲んでいたビールに加えて2杯のファイアーボール[訳注:シナモン風味のウイスキー]を飲みました。自分はそこにいた水泳チームの一人だからと思って、安心して、安全だと思っていました。自分の新しい「家族」の中で、こうした酒の飲み方はまったく普通なものとして受容されていると思ったんです。その後11時ごろ、騒音規則に反するからとRA[訳注:レジデント・アシスタントの略。寮を監督する学生リーダー]に言われ、一年生のパーティーは11時ごろお開きになりました。その時は友人のトム・クリーマーと他に8人くらいの人と一緒にいました。グループの中で一年生ではなかった人たちが、他のパーティーに行こうとしていました。大学に通った短い時間の中で知ったのですが、みんなはふつう、小さいパーティーの後、夜が更けてくるとフラタニティ[訳注:男子学生の社交グループ]のパーティーに行こうとするのです。1月17日も例外ではありませんでした。友だちが寮の部屋でやっていたパーティーから始まった小さなグループと一緒に行動していた時、誰かがカッパ・アルファ[訳注:選ばれた学生だけが属することのできる特権的学生グループ]がパーティーをやっているから行こうぜと言い出したのです。グループが最終的にどこに行くかについては、僕自身は特に意見を持っていませんでした。2、3分の間にグループの中の多数がカッパ・アルファのパーティーに行くことにしたので、僕はついて行きました。その家の裏口からパーティー会場に入りました。パティオのドアから地下室に行くと水泳チームのキャプテンが飲み比べゲームをしているのが見えました。キャプテンはもう一人チームの先輩と話していたので僕は話しかけました。ただ地下室で尊敬しているチームの男たちとパーティーを楽しんでいたんです。そしたら誰かが地下の電灯を消したので飲み比べゲームをやめて、それまでゲームをやっていたテーブルの上に乗って踊りはじめました。キャプテンと一緒にいたのでキャプテンは僕にもっと楽しめと言いました。そこでそのアドバイスを受けて、僕はテーブルの上に乗って踊りはじめました。そのうち僕は、同じテーブルの上で踊っていた女の子と一緒に踊りはじめました。一緒にグラインドしました。つまり、僕は彼女の後ろに立って、腰を密着させて、音楽のビートに合わせて左右に振るのです。2、3曲踊ったあと、僕はテーブルから降り、涼しい風に当たるのと、パティオのあたりでパーティーがどうなっているのか見るために、外に出ました。外に出ると一緒にパーティーにやってきた友人のトムと、水泳チームの友だちが話しているのが見えました。僕は彼らのところに行って話しはじめました。しばらくして、トムが地面にビールのケースがあるのを見つけて僕に指さしました。トムはそれから僕にビールを手渡したので僕はそれを飲みはじめると、トムとジェフ、それからもうひとり一緒にいた友だちがビールでショットガン[訳注:缶の下に穴を開けて行う一気飲み。液体が急速に口に注ぎ込むため気管に入る危険性が高い]をする準備をしていました。その前に僕たちのそばにふたりの女の子たちがいて、トムは彼女たちに、ショットガンする前にビール欲しいかと尋ねました。彼女たちはふたりともビールを受け取って僕たち3人の輪に加わりました。トムとジェフ、ふたりの女の子たちはみんなショットガンをはじめ、またはのみはじめましたが、僕はショットガンをするつもりはなかったので少しずつ飲んでいました。しばらくして、僕はトムがビールを手渡した女の子のひとりとトムに話しはじめました。つまり基本的に自己紹介をしていて、僕たちはこのキャンパスの学生で水泳チームなんだってことです。彼女はカリフォルニア工科大学に行ったと説明していたので、トムはきょうだいがその学校にいると話していました。彼女が僕のそばに来て、彼女が通っていた学校の友だちに僕が似ているのでびっくりした、と言ったので、僕は彼女も僕も楽しんでいるなと思いました。僕といちゃつきたいってことだと思ったので、もう少し話をしたあと彼女にキスをしました。キスは5秒くらいで、互いの歯が当たったので互いに離れました。歯が当たったのでふたりとも笑い、なんだか恥ずかしくなって顔が赤くなったのを覚えています。彼女は彼女の友だちとどこかに行ってしまい僕は中のパーティーに戻って誰か知っているひとを探しに行きました。しばらくただ中のパーティーでぶらぶらして電話をいじった後、トムと僕がしゃべったりビールを飲んだりしていた時にいたもうひとりの女の子を見つけました。その子のそばに行って踊り方がいいねと言いました。さっき少し話をしたと思ったので、その子と話しはじめました。僕は彼女に踊りたいかと尋ね、僕たちは一緒に踊りはじめてそのうちキスしはじめました。一緒に寮の部屋に来るかと誘ったら彼女は一緒に来ると言いました。僕の寮に向かう道を歩きはじめました。この時、僕たちは向かっている小道の方向へ坂を下りていました。気がついたらふたりとも地面に寝そべっていました。たぶん彼女が足場を踏みちがえて坂を転がり落ち、僕も一緒に落ちたんだと思います。僕たちは笑いはじめ、僕は自分は不器用だなと思いました。彼女に大丈夫かと尋ねると大丈夫と思うと言いました。そのあとまた転んだ地面でキスをしはじめました。そうなってくると寮の部屋に戻ることは忘れてしまいました。[被害者]とうまくいっていると思い、何も悪いことなんて起こりえない、誰も自分がやっていることを悪いなんて思うはずがないという現実の中にただいました。自分と[被害者]がいまどこにいるのかとかどこにいるべきとかは考えませんでした。単純に自分の部屋以外の場所で誰かと親密になることも起こり得るのだと思ったのです。それらの要素を否定して、性的行為をすることについて尋ねました。転んだところで僕たちはそのままいちゃついていたので、僕は馬鹿みたいに、その場で熱い状況になっていたので一歩進めてもいいと考えました。彼女にキスしていましたが身体を離して指でやって欲しいか聞いたのです。彼女は応え、「ええ」と僕が言ったことに答えました。返事を聞いたので、指でやっていいということになったのでそれを達成するには下着を脱がせるしかないと思い、彼女の下着を脱がせようと決心しました。その後に彼女にキスをして指を入れて、彼女がうめいて僕の背中に腕を回し掴まったのでその性行為に満足したんだなと思うまで指でやりました。気持ちいいか聞くと彼女は肯定的な返事をしました。指でやるのをやめて僕の腰を、彼女が腰を突き上げるのに対して動かしはじめ、その間、彼女の首と耳にキスしていました。僕たちが何をしているのか[被害者]がわからないほどによっていたなんて一度も思いませんでしたし、そう見えませんでした。誰かの意思に反した行為なんて僕はしません。

彼女と一緒にこうやってしばらく動いていたあと、飲んでいたビールと酒が胃に来て、吐き気がし、視界がぐるぐる回り始めました。胃が変だったので吐くかもしれないと言ったら彼女は僕がそんなふうに感じていた事実に驚いたかのように「オー、オーケイ」と言いました。地面に彼女と寝転がっている体勢から四つん這いになりました。バランスがうまく保てなかったからです。そのうちに立ち上がって、吐くのにちょうどいい場所を探して坂を下りました。その時誰かが僕の方に向かってきて僕の注意を引こうとしていたのに気付きました。[被害者]と僕がいた坂から離れて吐くための場所を探し続けました。歩いていたら、僕の注意を引こうとしていた人がもっと近くに来ました。その人は何か外国語で別の人と話していました。僕にわかったのは、その人が僕に「ヘイ」「なんてことだ」と話しかけていたことです。相手が僕に対してなんの心配をしていたのか知りませんが、それをなだめるためにどう答えたらいいか考えつく前に相手に腕を掴まれていました。なので、どうしてなのかわけもわからないけれど僕と戦おうとしているのか何か文句をつけようとしていると思いました。恐怖が身体を突き抜けて、一生懸命相手に抗いました。彼の手をほどいて走り去ろうとしましたが、彼に地面に押し付けられて腕を押さえられ起きられませんでした。十回か十五回くらい助けてくれと叫びましたがだれも助けに来ないので叫んでもむだだと思いました。何度も相手に何が問題なのか言わせようとしましたが相手は言うのを拒みました。地面に押さえつけられている間、誰かが警察を呼ぶのが聞こえました。警察が来るなら良かった、僕を助けてくれるだろうと思いました。警察が着いたので起き上がりましたが、また地面に伏せて両手を後ろに回すように言われました。自分が逮捕されるのだと知って衝撃を受けました。誓って言いますが、[被害者]の意思に反していたらこんなこと絶対にしなかったでしょう。今までそんなことしたこともないし今だってしません。

僕は警察署に連れて行かれ、木のベンチのある部屋に入れられました。トイレを使ってはいけないし何も食べたり飲んだりしてはいけない、ただ木のベンチで眠るよう言われました。警察官は誰も僕に何が起こっているのか教えてくれませんでした。そのうち誰かが入ってきて僕の服を脱がせ、どうしてかわかりませんが僕の体に綿棒をこすりつけました。強姦容疑だと言われて僕はすぐに信じられないというショックを表しました。起きてすぐそんなこと言われたら驚くだろうなと彼も答えたので、僕は冗談だろと思いました。そしたら彼は誰かが来て尋問するからと言いました。そのうちその人が来て、尋問のあいだ僕が考えることができたのは誰も強姦してないしそんなこと考えたこともないということでした。あの夜に何があったのか毎分ごとに詳細に思い出すよう努められればよかったと思います。[被害者]から逃げ出そうとしたのではなくて、ただやるかやられるかという反応だったとしてもあの男が強かったから逃げたのだと言えばよかったと思います。自分が言わなかったことがこんなに大問題になるとは思いませんでした。だって僕は自分が誰も強姦してないと知っているしそれだけが問題なのですから。ただ真実を言えばいいだけだと思いました。つまり、誰も強姦しようとなんてしていなかったし、誰も傷つけようなんて思っていなかったし、誰の弱みにつけ込むつもりもありませんでした。でも尋問の後で警察官は僕を留置場に入れる相当な理由がある、だから留置場行きだと言いました。僕は信じられずに完全にショックを受けていました。自分の家族のことだけを考え、どうやったら連絡が取れるだろうと思いました。

1月17日の夜は僕の人生と、関係のある人たちの人生を永遠に変えてしまいました。その前の日の自分にはもう戻れません。僕はもう水泳選手ではないし、学生でも、カリフォルニアの住民でも、人生の19年間に自分で設定したゴールを達成するための努力のたまものでもありません。自分の人生を変えただけでなく、[被害者]とその家族の人生も変えてしまいました。これらの人々の人生を変えてしまったのは僕のせいなのです。あの夜に起こったことを変えられるならどんなことだってします。[被害者]にトラウマと痛みを与えたこと、僕は自分を許すことができません。僕の行為が、正当な理由もなくアンフェアな心と身体のストレスを彼女に与えてしまったと考えると実にげんなりします。このことが起こってから毎日毎秒このことについて考えています。それが頭を離れることはありません。日中は何が起こったか考えることで自分を責めるあまり抑えようがなく震えてしまいます。時間を遡りしてあの夜、酒なんか飲まず、[被害者]と話なんかしなければよかったと願っています。誰と話しても、これらのことを考えずにはいられません。僕は苦しめられています。毎晩これらの考えに疲れ果ててボロボロになって眠りにつきます。自分が起こしたこれらのひどいことを夢にうなされ、目を覚まします。自分の判断力の甘さとちゃんと考えずに起こした行為に、苛まれています。1月17と18日に自分が起こしたことを後悔しない日はありません。自分の人間としての殻も芯もこのことで永遠に壊れてしまいました。僕はもう別の人間になってしまいました。今この時点で、僕はもう二度と酒を一滴も飲みたくありません。飲酒を伴う社交にも出たくないし、摂取した物質に基づいて行動を決定するような場所には行きたくありません。自分の人生や他のひとの人生にネガティブな影響を与えるような立場に身を置くようなことは二度を経験したくありません。この事件の報道だけで二つ仕事を失いました。水泳なんか得意じゃなければよかったし、スタンフォードに入学する機会もなければよかった。そうすれば新聞は僕のことを書き立てなかったでしょう。

これらの出来事の後、前に進むためにできるのは、みんなに、僕が本当はどんな人間なのか証明することです。もしも執行猶予にしてもらえたら、残りの人生ずっと僕は社会のためになれるでしょう。自分のできる方法で大学の学位も取りたいです。それをするには、自分を見本として示すことで、周囲のひとたちや社会をより良くすることができます。水泳をはじめた時から、僕は目標達成型の人間でした。このことが起こる前の自分から学べるものを、今後のために自分にできる限り使いたいと思います。僕みたいなひとに、もしそのひとが僕がしたような決定を下すなら、結果をよく考えずに大学生活がどんなものか信じ込むことの危険について示すことができます。酒を飲み、飲んでいる時にまずい判断を下すと人生が終わりになることを示したいのです。同級生からのプレッシャーや、溶け込まなきゃと思うことが、人にどんな影響を与えるか知るべきです。自分の決定で、自分の人生がすっかり変わってしまうことだってあるのです。みんなが大学生という存在の芯にあると思っていることにおいて突出している大酒飲みや性の奔放さという文化について、人々の態度を変えることが、僕にはできます。大学生活というものは酒を飲んだりパーティーをすることだ、という仮定を突き崩したいのです。僕は間違いを犯しました。酒を飲みすぎて、僕の判断で誰かを傷つけました。でも意図的に[被害者]を傷つけたのではないのです。判断を誤ったことと飲みすぎたことで、あの日誰かを傷つけました。それを全て帳消しにできたらと願っています。

もしも執行猶予にしていただけたら、自信を持って、疑いもなく言いますが、警察と関わる問題は絶対に犯しません。このことが起きる前、僕は警察と問題を起こしたことなんかなかったし、それを続けるつもりです。大学の4ヶ月で経験したパーティー文化と冒険を好む行動のせいで僕はボロボロにされました。オリンピックで泳ぐチャンスも失いました。スタンフォードの学位を取る機会も失いました。雇用機会も、評判も、そして何より自分の人生を失いました。こういうことから、僕は、もう二度と何かを犠牲にしなければならない立場にはなりたくありません。こうやって起こったことから、僕は社会に貢献しポジティブな影響を与えらえるのだとみんなに見せることを生涯の使命にしようと思います。お前は本当に社会のためになれるのかなんて誰かに聞かれるような状況には二度と陥りたくありません。男だろうが女だろうが、酒の影響下でバカな判断を下すようなことがあってはなりません。パーティーとか酒を飲むことについてみんなの考えや態度がもう決まっているこの世界で、僕は理性の声になりたいのです。若者たちに知らせたいのです。僕が知らなかったことを。たった一晩で、楽しかったことがすべて崩れることもあるということを。

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以下は、追加事項です。概要は、

  1. スタンフォード水泳チームの女子学生たちの間でブロックは危険視されていた
  2. 目撃者の証言はブロックの言い分と矛盾する
  3. 被害者の合意があったかどうかにも疑問がある
  4. ブロックはパーティーの間も女性たちを追いかけ回し、無意識の被害者の裸の写真を撮っていた
  5. ブロックには軽犯罪だが犯罪歴もあり、またドラッグ使用は高校時代に遡る
  6. 量刑の減免は、女子学生たちをさらなる危険に陥れる

1. スタンフォード水泳チーム女子学生たちはブロックの奇妙な行動を危険視していた

スタンフォード水泳チームの女子学生が語ったところによると、チームの女子たちはブロックの入学以来、彼を危険視していた。「逮捕されても驚きませんでした。最初から、私たち女子学生はブロックのことをすごく変な奴だと知っていたのです。例えば女性に対して『その水着の下のおっぱいが見えるよ』なんて言ったり」とチームの一人は語っている。またチームの花形女子選手はブロックがパーティーで酔っ払うのを見た後、ブロックとは絶対に二人きりにならない、と誓っていた。「上級生からパーティーを少し控えろと注意を受けましたが、彼は聞き入れませんでした」

スタンフォード水泳チームの女子たちは判事に対して彼女たちがブロックから受けたネガティブな体験について証言しようとしたが、大学から止められたと言う。大学側は選手たちにそう指示したことを否定しているが、水泳チームの選手は言う。「ブロック・ターナーのことを公に、また報道陣に対して喋るなと言われました。でも私たちチームは被害者を完全に応援しているし、ブロックがもっと厳しい罰を受けるべきだったと思います」

出典: Stanford Women Swim Team Suspicious of Brock Turner for a Long Time (Exclusive) , In Touch Weekly, June 15, 2016, http://www.intouchweekly.com/posts/brock-turner-stanford-women-s-swim-team-105204

2. 目撃者の証言とブロックの言い訳との矛盾

自転車で現場を通りがかった二人のスウェーデン人留学生が、意識を失った女性にまたがって激しく腰を動かしているブロックを目撃した。はじめは同意の上でのセックスかと思ったが、女性がまったく動いていないのに気付きブロックに声をかけた。

「声をかけるとそいつは立ち上がり、走って逃げ出したんです。ピーターが追跡し、僕は女性が息をしているのを確認して後を追いました。二人がかりで取り押さえ、警察が来るのを待ちました。女性は目を閉じて顔を横に向け、まったく動いていませんでした」

ブロックが酔っていたように見えるかと聞かれ、証人は答えた。「見えませんでした。走れたんですよ。それで判るでしょう。発音もまったく明瞭に喋っていました」

出典:Stanford Rape - Brock Turner Witness Speaks Out, the Guardian, June 8, 2016, https://www.theguardian.com/us-news/video/2016/jun/08/stanford-rape-brock-turner-witness-speaks-out-video; Court Papers Give Insight Into Stanford Sex Assault, the New York Times, June 12, 2016 http://www.nytimes.com/2016/06/13/us/brock-turner-stanford-rape.html?_r=0; Stanford Rape Case Witness Says Brock Turner Did Not Seem Drunk: 'He Could Speak Without Slurring,' US Magazine, June 10, 2016, http://www.usmagazine.com/celebrity-news/news/stanford-rape-case-witness-says-brock-turner-did-not-seem-drunk-w209682

3. 「同意があった」というブロックの主張と被害者の記憶との矛盾

目撃者たちが見た時、ブロックは意識があり、走ることが出来、言葉も明瞭だったが、被害者は完全に意識を失っており動いてもいなかった。被害者によれば最後に覚えているのはパーティーで妹といたこと。その次の記憶は、意識が朦朧とし混乱しながら病院で目覚めたこと、と話している。被害者が完全に意識を失っていたことは、駆けつけた救急隊員がなんども彼女の目を覚まそうと話しかけたり刺激を与えても無反応だったことにも裏付けられている。

出典:Court Papers Give Insight Into Stanford Sex Assault, the New York Times, June 12, 2016 http://www.nytimes.com/2016/06/13/us/brock-turner-stanford-rape.html?_r=0

4. パーティーの間も女性を追いかけまわし、強姦中には無意識の被害者の裸体の写真を仲間に送っていた疑いがある

捜査に基づく検察の量刑提案文書によれば、ブロックはパーティーの間も被害者の妹に突然キスしたり(二度、キスを迫っている)、親しくはない女性の背後で踊ろうとしつこく迫ったり(女性は拒否し、逃げた)腿を触ったりしていた。ブロックや仲間の携帯電話メッセージには「それ、誰のおっぱいだよ?」というメッセージが入っており、ブロックが強姦中に無意識の被害者の裸体写真を仲間に送りつけていたと見られる。写真は携帯電話が押収される前に誰かが削除していた。

出典:https://assets.documentcloud.org/documents/2859059/SentencingMemo.pdf

5. 少なくとも高校在学時から違法薬物を使用していた証拠

捜査の過程で押収されたブロックの携帯電話には、彼がまだオハイオの高校生であった2014年1月に遡り、パイプやマリファナ喫煙用の「ボング」と呼ばれる喫煙具の写真、また「Dabs」を購入したいというブロックのメッセージなどが入っていた。Dabsとは強く濃縮したマリファナで、はちみつかバターのような形状をしている。また他のグループメッセージでは仲間と金を出し合ってマリファナを購入する相談や、LSD(幻覚剤)、MDMA(エクスタシーとも俗称される、幻覚と興奮を伴う強い薬物)についての言及が多数見られた。

ブロックは声明の中で、以前未成年の飲酒で捕まったことについて触れているが、警察の記録によれば当時、警官から止まれとの指示があったにも関わらずブロックは逃げ続け、意識的に逮捕を免れようとしていた。

6. 量刑の減免はキャンパスをもっと危険にする

スタンフォード大学ロースクール教授であり被害者の家族とも友人であるミシェル・ドーバー教授は、ペスキー判事による量刑の減免はキャンパスの女子学生たちを危険にさらす、と警告する。「この量刑によってスタンフォードの女性たちは以前よりもっと危険な目に遭います。なぜなら、この量刑判決は基本的にこう言っているのです。もしあなたが同じような目に遭っても-−—つまり、スタンフォードの運動選手に強姦されても、法はあなたの味方ではありませんよ、と」

出典(5,6):Stanford Rape - Brock Turner Witness Speaks Out, the Guardian, June 8, 2016, https://www.theguardian.com/us-news/video/2016/jun/08/stanford-rape-brock-turner-witness-speaks-out-video

author : watanabe-yo
| ことばの力、法の力 | comments(6) |

この記事に関するコメント
なんともお粗末な、稚拙な「言い訳」に感じました。


時間を戻すことは叶いません。
彼女の良い未来がありますよう願います。

| かつ | 2016/06/19 5:36 PM |
葉ちゃん、知らなかった事件だけれど、きっとこの理不尽は世界のいろんなところでまかり通っているんだろうなってことを、普段は気に留めてなかった自分の怠慢(とたまたま無事でいる幸運)に少なからず恥ずかしくなったよ。被害者の女性の声明には胸がキーンと痛くなった。と同時にここまできちんと言語化させた勇気と冷静さと粘り強さと誇りの持ちように尊敬の念(もっと違う言葉が正しい気がするけれど思いつかない)を抱かずにはいられない。自分だったらここまでできるだろうか、とかね。
一方、今回の加害者の言い訳ーーまさに言い訳以外の何物でもないーーには血圧上がったよ。毛細血管がブチブチ切れた。翻訳しながらキミの毛細血管もブチブチに切れてたと思います。ありがとう。
(あああ、書き足りないけど長くなるからやめとく)
| まつのり | 2016/06/20 12:49 AM |
かつさん

そうなんです。内容もさることながら、文章だけでもこんなんでスタンフォードに入れるなら、スタンフォードは名門でもなんでもないと思います。そして、結局酒のせい、上級生のせいなのかよ、という(上級生は彼にパーティーしすぎを注意していたらしいですが....)

でもこういう人、日本にも沢山いますよね? 何かが、とても、おかしい。ちなみに米国には少なくとも、性犯罪者は生涯、住所を登録し続けなければならず、付近住民は誰が性犯罪者でどこに住んでいるのか知ることができる、という制度があります。これは日本でも導入すべきだと思います。米国以上に男性特権が意味もなく幅を利かせている日本では、導入の可能性がどれだけあるか、わからないけれど。。。。


のりちゃん

そうなのです。被害者の女性のが百倍頭いい!!!! 頭の良さ比べをしているわけではないが、頭脳明晰なのはどちらか、一目瞭然。

加害者がここまで絶望的にアホなことで、かえって全米の激怒を招いたことを、変化への「てこ」に変えられれば、と願ってやまない。そしてそのためにも、日本語環境の人々と、この事件についての情報をシェアし、一緒に考えたいと思う.....。
| 葉 | 2016/06/20 12:43 PM |
お粗末すぎる。こんな文章を書いて提出すること自体が、かえって自分を不利にするだけだともわからないとは。
あの有名なスタンフォード大学生が。この能力。
大学になじむために飲酒やパーティーにせっせと参加していたのだとは!!スタンフォード大学は一体どんな大学だと言いたいんだ。
| かえみる | 2016/06/21 12:04 PM |
かえみるさん

そうなのだ。こ、、、これでスタンフォード。対し、被害者はスタンフォードほどの名門大学出ではないのですが、はるかにはるかに知性が高い。(その辺りからも、なんなんだよこれ、と思ってしまいます)
一応「すみません」と言いながらも結局、酒とか先輩のせいにしている。
でもね、これを読んで、またそのあとに挙げた反証を読んで、それでも量刑を減免した判事.....。自分はカリフォルニア住民ではないので直接の罷免活動はできませんが、資金寄付の形でサポートし続けたいと思っています。
| 葉 | 2016/06/21 12:54 PM |
葉さま
・・・こちらは別の意味で言葉がありませんね・・・
この男は全く反省していない。
言い訳にもならい御託を並べ、この後におよんでなんとか取り繕うことに必死・・・
こういうのを醜悪きわまりないというんでしょうね・・・
こういう感性の人はこの先更生できるんでしょうか・・・?
| EIKI | 2016/06/21 8:46 PM |
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渡辺 葉
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