ミシェル・オバマ大統領夫人スピーチ(2016.10.13)全訳 | 葉的MANHATTAN☆HOUR
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ミシェル・オバマ大統領夫人スピーチ(2016.10.13)全訳

【2016.10.17 Monday 10:32

みなさま、お久しぶりです。摩天楼勤労に精出しておりましたよ! 

今回も、翻訳をお届けします。全世界を(いろんな意味で)震撼させているアメリカ大統領選挙。トランプ氏の暴言に拍車がかかっていることは、日本語でニュースを読む方もお聞き及びかと思います。今回は、10月7日に表出したトランプ氏の女性に対する冒涜、暴言に対し、彼の名は一切出さずにミシェル・オバマ大統領夫人が激戦区ニューハンプシャー州で行った演説の全訳をお送りします。

ミシェル・オバマ大統領夫人のニューハンプシャーでの演説、全文の映像と英語トランスクリプトはこちら

彼女の演説の中でも最も人々の心を打つ部分を、いち早く、糸井重里氏事務所のCFOである篠田真貴子さまが訳してくださいました。篠田さまの了解を得て、下記の全訳に篠田さまの名訳を転載してあります。なお、司法翻訳の観点に鑑み、若干の改定を施してあります。篠田さまの名訳をそのまま楽しみたい、という方はどうぞこちらをご覧ください。

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あらまあ! みなさん、歓迎ありがとう!
まず、みなさんにこんにちは、と言わせてください。今日一日、ここニューハンプシャーにいられることにわくわくしています。美しい秋の日をありがとう。わたしのためにこのお天気を用意してくれたのですね?

はじめに、あなた方の知事であり次期米国上院議員、マギー・ハッサンにお礼申し上げます。先ほどは素敵なご紹介をありがとう。わが友人でもあるアニー・マックレーン・カスター下院議員もここに来てくださいました。もうすぐ下院に再選されるであろう、キャロル・シェイ・ポーターもみんな、素晴らしい友人たちです。あなた方のエグゼクティブ・カウンシルであり知事候補のコリン・ヴァン・オスターン。それにもちろん今日時間を割いてここに来てくださったみなさん、どうもありがとう。

聴衆:We love you!

優しい言葉を、どうもありがとう。わたしもみなさんのことが大好きです。こうして合衆国の次期大統領と副大統領、ヒラリー・クリントンとティム・ケーンを応援するために集まっているけれど、選挙まであとわずか数週間だなんて信じられません。そして、ニューハンプシャーはいつも大統領選挙では大切な州ですからね。

ですから、少し真剣にお話させてください。みなさんもお判りだと思いますが、すでに荒れ模様の選挙の中でも、この一週間は大荒れでした。極めて対照的なことを目にしたので、わたしにとっても、個人的に興味深い一週間でした。

火曜日にはホワイトハウスで、国際ガールズ・デーと、レット・ガールズ・ラーン*のお祝いをしました。最高のお祝いでしたよ。そして、大統領夫人としてわたしが行う、最後のレット・ガールズ・ラーンのイベントでした。ここ米国や世界各国から来た素晴らしい若い女性たちと何時間も一緒に話したんです。彼女たちの希望のこと、夢のことを。どんな未来を思い描いているかを。この女性たちの多くは、学校に通うというそれだけのためにさえ、身の危険を冒し、家族や共同体から拒否される危険を冒し、自由を賭けて、想像もできないような障壁を乗り越えて来たのです。

[*註:「女の子たちに教育を」という意味。ミシェル・オバマ大統領夫人とオバマ大統領が立ち上げ、米国国務省他政府機関と民間、他国政府が協力して、特に紛争地域など学ぶ機会を奪われた若い女性に学びの機会を与えるプログラム。www.letgirlslearn.gov]

だからこそ、彼女たちが大切で価値ある存在なのだと、この若い女性たちに改めて伝えることが重要だと思いました。女性や女の子をどう扱うかで、その社会の価値が決まるのだということを、伝えたかったのです。彼女たちに言いました。あなたがたは、尊厳と敬意をもって扱われるにふさわしいのだと。彼女たちを蔑んだり貶めたりするような人には耳を貸すべきではないと。彼女たちの声を世界に届けるべきだと伝えました。わたしもそこで、勇気をもらったんです。今日ここに集まった若い人たちから勇気をもらっているように。この女の子たちに会って、心が弾みました。これは、火曜日のことでした。

そして今ここで、選挙のためのキャンペーンの中で、女性を傷つける憎しみにこもった言葉が聞こえています。女性にとってだけでなく、こどもたちが思いやりと他人を尊ぶ心を忘れない大人になるよう育てている親にとって、わが国のリーダーがひととしての基本的な良識を持つべきだと考える市民にとって、あまりにもひとを傷つける言葉が聞こえています。

実際この選挙では、合衆国大統領の候補者に、この選挙戦だけでなくこれまでの生涯ずっと女性に対して蔑みに満ちた言葉を投げ続けて来た人物がいます。その言葉はあまりに酷くあまりに蔑みに満ちているので、ここでは繰り返しません。そして先週、わたしたちは、この候補者が女性に性的暴行をしたと自慢している姿を目撃しました。自分がここでこんな言葉を発していることじたい信じられませんが、合衆国の大統領候補者が、女性を性的に襲ったと、自慢していたのです。

[以下、篠田真貴子氏からご許可いただき、篠田氏の翻訳を挿入します。なお、米国司法用語の観点などに鑑み若干の編集を加えました。]

このことが頭から離れません。自分がこんなに芯から動揺してしまうなんて、思いもしませんでした。こんなことはなかったことにして、いつもの応援演説ができればよいのですが。あれは悪い夢だった、はい次、といければよいのですが、それでは不正直だし、不誠実です。

これは、とうてい無視できることではありません。悲しい大統領選の中の情けない一コマだったね、という話ではないんです。だって、あれは単なる「卑猥な会話」ではないから。単なる更衣室での軽口ではないから。あれは、影響力のある人間が、性的暴行をはたらくことを、実際に女性にキスをし身体を無理やり触ることを、 おおっぴらに語っているんです。こどもにはとても聞かせられないようなわいせつな言葉づかいで。

しかも、単発の事象ではないことがはっきりしてきました。彼はこれまでずっと女性をそんな風に扱ってきた、数えきれないそうした事例のひとつに過ぎないのだ、と。わたしはこの話を、我がことのように感じています。みなさんも、特に女性のみなさんは、きっとそうだと思います。わたしたちの身体について投げられた、恥ずべき言葉のことを。わたしたちの望みや、わたしたちの知性を認めず蔑む態度を。女には何をしてもいいんだ、という思い込みを。

残酷です。恐ろしいことです。これは、ひとを、わたしたちみんなを、傷つけるものです。道を歩いていて、自分のやることなんかをただ考えていたのに、通りすがりの男があなたの身体について卑猥な言葉を大声で投げつけてきた時の、気持ち悪くて、心が沈み込むような気分のように。いつも妙に距離を詰めて近くに立っていたり、いつもじろじろとこちらを眺め回す男性に、職場で会ってしまったときの厭な感じのように。

誰かに身体を掴まれる。無理やり迫られていやだと言っても聞いてくれない。そのときの蹂躙される恐怖を知っている女性が、あまりにも多くいます。大学のキャンパスで、ほかのいろんな場所で、毎日そういうことが起きている。

わたしたちは、祖母の世代、母の世代から聞いています。昔は、男性上司が職場の女性に対してどんなことを言っても、どんなことをやっても、咎められなかった。女性たちがどんなに一生懸命仕事をし、どんなに厳しい壁を乗り越えて成果を示しても、十分でないと思われていた。そんなの、過去の歴史だと思っていましたよね。どれだけ多くの人々が、どれだけの年月をかけて、そんな暴力や虐待や、女性の尊厳を無視するような態度をやめるよう、努力してきたことか。

それなのに、2016年にもなったいま、昔とまったく変わらない話を、選挙戦で毎日聞かされています。そんな話で、おぼれそうです。それに対して私たちは、これまでずっと女性がしてきたように、とにかく水面から頭を出して、この状況をしのごうとしています。気にしてないふりをしようとしています。もしかしたら、傷ついていることを認めたら、私たち女性が弱くみられると感じているのかもしれません。

もしかしたら私たちは、傷つきやすい状態になるのを恐れているのかもしれない。もしかしたら私たちは、感情を飲み込んで黙っていることに慣れてしまったのかもしれない。他の人がいつも、女性の言葉よりも男性の言葉を信じるのを見てきたから。もしかしたら私たちは、未だに女性をこんなにバカにするひとがいるなんて信じたくないのかもしれない。あまりにも多くのひとが、これは単なる今日のニュースにすぎないじゃないかと、わたしたちの怒りが誇張された、根拠のないものだと退けようとしています。まるでこれが普通の、いつもの政治ってものなのだとでもいうふうに。でもみなさん、はっきりさせましょう。これは、普通ではありません。これは、いつもの政治ってものなんかではありません。これは、恥ずべきことです。許すことのできないことです。民主党、共和党、独立勢力、どの党に属していようと、こんな扱いを受けていい女性なんて、ひとりもいません。こんな虐待を受けていい女性なんて、ひとりもいません。

今は選挙戦中ですが、これは政治の問題ではありません。基本的な人間性の問題です。正しいか間違っているかの問題です。こんなこと、耐えるわけにはいきません。子どもたちをこんなことにこれ以上晒すわけにはいきません。1分たりとも、まして4年などあり得ません。今こそ立ち上がり、いい加減にせよ、と言うときです。今すぐ、止めなければなりません。

考えてもみてください。このことでわたしたち大人の女性がこれだけ傷つくとしたら、こどもたちにどれだけの影響があるでしょうか? 小さな女の子たちがどんな見た目になって、どんな態度をとればいいか、このことがどんなメッセージを与えていると思いますか? このことから彼女たちが、職業人として、人間として、自分の価値や夢、希望にどんな価値があると理解するでしょうか? そして、この国の男性たちや男の子たちにはどんな影響があるでしょう? わたしの周りの男性は、女性についてあんなこと言いはしませんし、わたしの家族が変わり者だというわけではありません。あれが更衣室での日頃の会話だからと受け流すなんて、世の中のまともな男性への侮辱です。

わたしやあなたがたの知っている男性は、女性にあんな態度をとりません。彼らは、娘にあんな野蛮な言葉をなげつけられたらと思うだけで気分が悪くなるような、愛情深い父親です。彼らは、女性が蔑まれ軽んじられ貶められることを許さない、よき夫であり、兄弟です。彼らは、わたしたちと同じように、この選挙が男の子たちにどんな影響があるか、心配しています。男の子たちは、大人の男になるとはどういうことか、ロールモデルを探しているんですから。

最近聞いた話ですが、あるかたが6歳の息子さんと一緒にニュースを見ていたそうです。そうしたら、その男の子がいきなり「ぼくは、ヒラリー・クリントンが大統領になると思う」と言ったと。お母さんが「なぜそう思うの?」と聞いたところ、その6歳の子はこう言ったそうです。「だって、もう一人のひとは、誰かのことをブタって言ったんでしょ。誰かのことをブタっていうひとは、大統領になれないんだよ」って。

6歳児でさえ判っているのです。あんなの、大人の取る態度じゃないって。あれは、まともな人間の取る態度ではありません。ましてや、合衆国の大統領になりたいという人が取る態度ではありません。

ここではっきりさせておきましょう。強い男性、真のロールモデルとなる男性は、自分が強いと感じるために、女性を貶めることを必要としません。本当に強い人は、周りの人を高めるんです。本当に力のある人は、周りの人たちをつなぐんです。次期大統領には、そういう資質が必要です。

[以下、渡邉葉訳に戻ります]
わたしたちには、この国をまとめる力のあるひとが必要です。わたしたちには、我々を分け隔てる傷を癒せるひとが、わたしたちやこどもたちのことをほんとうに考え、この国を前へと導いていける強さと優しさを持ったひとが必要です。

言わせてください。わたしが今日ここにいるのは、心の底から、ヒラリー・クリントンが大統領になるべきだと信じるからです。

ヒラリーがこの仕事にうってつけの人物だということを、彼女の人格や、この選挙戦だけでなく彼女の生涯から見てきました。わたしたちが若いひとたちに教えようとしているたくさんのことを、ヒラリーは実現してきたんです。若いひとたちに、こう言いますよね。「学校で頑張って勉強して、良い教育を受けなさい」と。その教育を使って、他の人たちを助けなさいと。ヒラリーはまさにそれを大学の学位やロースクールの学位を使って実践してきました。ハンディキャップを持ったこどもたちの弁護をし、大統領夫人としてこどもたちの医療ケアのために戦い、上院議員としてはこどもたちのための医療保険制度改革に努めました。

わたしたちはこどもたちに、チームプレイヤーになることの価値を教えます。ヒラリーはそれを、2008年の大統領予備選に負けた時に身をもって示しました。彼女のライバルのために、わたしたちの国務長官として役職に就くことを承諾し、国のために尽くしたひととして高い評価を得たのです。

わたしたちはまた、人生に近道などないのだとこどもたちに教えます。どんな仕事に就こうと、意義ある成功を目指して頑張るのだと。ヒラリーは弁護士として、法律学教授として、アーカンソー州知事夫人として、合衆国大統領夫人として、合衆国上院議員として、そして国務長官として働いてきました。すべての役割を立派に務め、経験を豊かにし、わたしたちの知るどんな候補者よりも大統領という仕事をつぶさに見てきました。バラクよりも、ビルよりも、です。そして、彼女はたまたま、女性でした。

それから、わたしたちはこどもたちにこう教えます。難問に直面しても、諦めず、頑張り抜くのだと。国務長官を務めた年月の間だけでも、ヒラリーは多くの難問に直面してきました。112カ国に足を運び、停戦や平和条約を結ぶため、また政権に異を唱えるひとびとを解放するために交渉してきました。上院委員会の前で11時間もの聴聞を受けたこともあります。ご存知の通り、大変な局面に向き合っても、ヒラリーは不平を漏らしたりしません。他のひとのせいにしたりしません。すべてを放り投げたり、もっと楽な道を探したりしません。ヒラリーは、その人生の中で、何一つ諦めはしませんでした。

ヒラリーは生涯を公職に捧げ、自分の番が来るのを待ちながらも、その間に他のひとのために力を尽くしてきました。彼女は優れた母親として、素晴らしい娘を育て上げました。彼女は愛情に溢れ、忠実な妻でもあります。そして彼女は母親の最期の日まで尽くし続けた愛情深い娘でもあります。もしもわたしたちがヒラリー・クリントンのような娘を育てることができたら、どんなに誇りに思うでしょう。どんなに誇り高いことでしょうか。

対立候補がたとえ誰であろうと、ヒラリー以上にこの仕事に適したひとはいません。この選挙でもし彼女に背を向けたら、もし何もせずに対立候補が選ばれるのを許したら、わたしたちはこどもたちに、どんな価値観を教えることになるでしょうか? どんな人生を生きろと教えることになるでしょうか? どんな言葉を伝えることになるでしょうか?

心の底で、わたしたちはみんな判っています。もしもヒラリーの対立候補にこの選挙を勝たせたら、いま目の前で起こっていることなんて「まったく問題ない」とこどもたちに教えることになる、と。こんなことに太鼓判を押してしまうことになる、と。女性を貶めても良いのだと、息子たちに教えることになります。こんな扱いを受けるのだと娘たちに教えることになります。すべてのこどもたちに、わたしたちの国のリーダーがデマで煽動し威張り散らす人物でもまったく構わないのだ、と教えることになります。こどもたちにそんなことを教えたいと思いますか?

覚えていてください。そんなことをしたら、わたしたちのこどもたちだけでなく、世界中に悪いお手本を示すことになります。長いこと合衆国は、世界の中でお手本を示してきました。女の子たちに教育の機会を与え、女性の権利を確立してきたのです。けれどももし、常套手段として女性を貶めるような大統領、女性を襲い性的に暴行したことを自慢するような大統領を選んだとしたら、わたしたちは世界の中で倫理的なお手本を示せるでしょうか? 自由と正義、人間の尊厳を訴え続けることができるでしょうか?

ニューハンプシャーの皆さん、良い知らせがあります。わたしたちの力で、このとんでもない状況を止めることができるんです。私たちの母や祖母の世代にとってはしばしば、彼女たちが置かれた状況を食い止める手段がありませんでした。今日、わたしたち女性には、この選挙戦の行方を決める力があります。

わたしたちは知識も、声も持っています。選挙権を持っています。11月8日、女性として、アメリカ合衆国国民として、良識ある人間として、いい加減にしろ、この国ではこんなふるまいは許されない、と声を上げることが出来るんです。

覚えていてください。2012年の選挙では、ここニューハンプシャーを含む重要な激戦州でバラクが勝つか負けるかの鍵を握っていたのは女性たちの票でした。自分の一票なんて関係ないだろう、ひとりの人間に力なんてない、そう思っているひとがいたら、考えてみてください。2012年に、バラクはニューハンプシャーで40000票の差で勝ちました。たくさんの票みたいに聞こえますよね? でもこの数字をよく見てみると、一選挙区につきわずか66票の差なんです。考えて見てください。一選挙区につき66人が対立候補の票を投じていたら、バラクは負けていたんですよ。

だから、今日ここにいるあなたがたひとり一人が、選挙区全体を揺るがし、ヒラリーを勝たせることができるんです。あなたがた自身が投票し、家族や、友人や、近所の人たちに投票を促すことで。今、この場で出来るんです。けれど同時に、何にもならないと諦め家に閉じこもることで、ヒラリーの対立候補を勝たせることだって出来るんです。

なぜなら、これが真実だからです。ヒラリーか、彼女の対立候補が、今年、大統領に選ばれます。もしもあなたがヒラリー以外のひとに投票したら、あるいは投票を放棄したら、あなたは対立候補を勝たせたことになるんです。そうなったら、どんな気持ちになるでしょう? 11月9日の朝、目覚めて、娘や息子の目を、あるいは鏡の中のあなた自身の目を、見ることができますか。もし選挙の日に家に閉じこもっていたら、ヒラリーを選ぶためにできることをしなかったら、どんな気持ちになるでしょうか。

そんなことがあってはなりません。嫌気がさしたと言ってテレビを消し、歩き去ることはできないのです。ただ座って心配げに両手を揉むだけでは何にもなりません。驚きと怒り、悲しみから立ち上がって、この国の女性たちがいつもしてきたように、さあ、袖をまくって戦いましょう。仕事にとりかからなければなりません。なぜなら、覚えていてくださいね。彼らが低俗に向かってくるとき、わたしたちは…

聴衆:高く!

そう、高く行くのです。

自分たちで票を投じるのは大切なスタートです。でも一歩進めて、組織立って動き始めるときです。電話をかけ、人々の扉を叩き、みんなが選挙に行くように呼びかけましょう。ヒラリーのキャンペーンスタッフに呼びかけて、ボランティアをしましょう。

若いひとたちも、それほど若くはないひとたちも、ソーシャルメディアを活用しましょう。なぜこの選挙が大切なのか、なぜこれがこの国のすべてのひとの良識にかかわることなのか、それぞれのストーリーを共有しましょう。この選挙戦の行方は、あまりにも多くのリスクに満ちていますから。

11月8日、あなたがたが下す選択によって、決まるのです。この国の大統領が、ひとびとに敬意を持って接する人物になるのか、そうでないのかが。こどもたちのため、良い教育のために、家族みんなを支えるより良い仕事のために戦ってくれる大統領になるのか、そうでないのかが。女性たちには自分の身体や健康について、自分で決める権利があると信じる大統領になるのか、そうでないのかが。これは争点のほんの一部です。ですから、疲れている暇も、幻滅している余裕もありません。選挙の日に家に閉じこもる余裕はありません。

なぜなら11月8日、わたしたちは、こどもたちに、こう伝えることができるんです。すべてのひとびとに、生まれながらに備わった尊厳を認めることにこそ、アメリカの素晴らしさがあるのだと。女性も男性も、どんな背景を持ち、どんな道のりを歩いてきた人も、受け止めるだけの器がこの国にはあるのだと。わたしたちひとりひとりが、偉大なるアメリカという物語の、かけがえのない一部なのだと。わたしたちはいつも、一緒にいるからこそ強くなれるのだと。

11月8日、こどもたちに伝えましょう。憎悪や恐怖を拒もう、と。困難にぶつかっても高い理想を捨てたりはしない、と。立ち上がり、背を伸ばして理想に向き合いましょう。立ち上がり、この国を作り上げましょう。立ち上がり、自由という恵みを守りましょう。立ち上がり、示しましょう。この土地を地球上で最も素晴らしい国民の国にしてきた、平等と機会、献身の姿を。

我々は、そうではありませんか。誰にもそうでないとは言わせません。希望は、若いひとたちに希望を与え示すことは、大切なことです。このことを映してくれる大統領こそが、わたしたちにふさわしいのです。わたしたちをひとつに結び、わたしたちの中の最良のものを引き出してくれる大統領が。そしてヒラリー・クリントンこそ、その大統領となるでしょう。

これから26日間、ヒラリーとティム・ケーンがこの選挙に勝てるよう、できることをすべてしていきましょう。わたしはそうするつもりです。あなたも一緒ですか? 一緒ですか? 袖をまくる準備はできていますか? 扉を叩く準備はできていますか?

さあ、とりかかりましょう。どうもありがとう。神のお恵みを。


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この素晴らしいスピーチをいち早く、読みやすく心に響く名訳で日本語世界に届けてくださり、なんの面識もないわたしに快く転載を許可してくださった篠田真貴子さまに、心からの感謝を申し上げます。

 

author : watanabe-yo
| ことばの力、法の力 | comments(3) |

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| - | 2016/10/24 8:24 PM |
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| - | 2016/10/27 9:03 PM |
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渡辺 葉
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